【構築】Requiem
〇はじめに
今回の構築は私が2018.1~考察し続けてきたものであり、考察当初の構築のスタート地点からコンセプト等に大きな変化があるが、ここでは構築完成時のコンセプトや個体についてのみ記す。
また、構築作成からプレイング指南まで最初から二人三脚で取り組んでくれたゴルトさん(@bdy_gg)に圧倒的感謝を。
〇コンセプト
初手欠伸カビゴンによるフラットな試合入りに強さを感じ、初手のカビゴンから盤面を動かしながら滅ゲンを交えて試合を有利に展開していくことを目標にした。
〇概要
初手欠伸カビゴンからのゲームメイク
初手にカビゴンを置く際に明確な出し負けになるパターンは極めて少なく、フラットな対面から欠伸を撒いていくことで情報アドバンテージを稼ぎながら対面操作を行う。
また、ステルスロックを絡めずとも、相手の選出がカビゴンに後出し可能なポケモンが少なければカビゴンの恩返しなどを絡めて削りを行える。そのような状態を回避するために眠らせてでも強引にカビゴンを崩してくる相手に痛烈に刺さる守るを搭載している。ボルトチェンジや蜻蛉返りを利用した欠伸ループの処理ルートを断つのにも利用出来るため、初手要員としての性能を高めることが出来た。
欠伸からの展開ルート
欠伸カビゴンの初手性能は非常に優秀なのだが、ただ欠伸を撒くだけでは大きなアドバンテージには繋がらない。対面操作が本命であるが、対面操作をした後のポケモンで可能な限りアドバンテージを得られるように後続の展開パターンが重要になってくる。
今回の構築では、
1.滅ゲンと組み合わせることで盤面を有利にコントロールする
2.(身代わり搭載)エースを用意することで滅びを絡めた抜き展開を狙う
の二種類の展開ルートを取ることにした。
滅ゲンを絡めた盤面コントロール
ゲンガー |
サイクル要員 |
エース |
サイクル要員 |
自由枠 |
自由枠 |
という構築の骨格を前提にサイクル要員(=クッション)として非常に高い性能を持つカビゴンが適役であった。
また、ゲンガーが苦手とするミミッキュに後投げしつつ蜻蛉返りによる対面操作を担えるランドロスをもう1つのクッションとして採用した。
身代わり持ちによる制圧
上述の通りカビゴンは欠伸と守るだけで盤面を整えることが可能であり、欠伸や眠り状態を最大限に活かせる身代わり持ちのエースを搭載している。
今回はゲッコウガを採用。このポケモン自身の制圧力の高さも魅力的だが、このポケモンの存在によりカビゴンが初手で明確に出し負けてしまうボーマンダの初手選出を制限することが出来るためカビゴンをバックから活かす存在でもある。
自由枠2枠
かなり多くのポケモンを試したがどれも一長一短な性能だったので正解はわからない。採用してきた自由枠は後述する。
以下、個別解説。
〇個別解説
ゲンガー@ゲンガナイト
性格:臆病 特性:呪われボディ→影踏み
数値:165(236)-x-102(12)-191(4)-116(4)-200(252)
技:シャドーボール 道連れ 滅びの歌 守る
【技構成】
通りのいいメインウェポン。 |
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道連れ |
影踏みで捕らえた相手に対する遂行技。使うタイミングが重要。 |
滅びの歌 |
道連れ+滅びの歌でS操作を絡めた相手に対しても役割遂行を行える。 |
守る |
滅びの歌とセットで。ターン稼ぎだけでなく、拘りに対するコントロールや、安全なメガ進化にも使える。 |
【役割解説】
パーティの軸。自身が中心になって滅びを利用した盤面制圧を行う、または1:1性能を活かして裏を通す。
サイクルと対面操作を活かしてこのポケモンの圏内に入れたポケモンを捕まえて処理をし3:2の盤面を作るのが主な目標。ゲンガーが盤面に残った状況における数的有利は、本来の相性をひっくり返せるスペックを持っており非常に強力。
毒打点がないので妖に勝てないのが難しいポイントで、挙句の果てにはマリルリを後投げされた。
カビゴン@食べ残し
性格:腕白 特性:免疫
数値:257(172)-130-128(252)-x-141(84)-50
技:恩返し 地震 欠伸 守る
【技構成】
恩返し |
タイプ一致高火力メインウェポン。単純に撃ち合い性能が高くなる。 |
主にギルガルド意識のサブウェポン。火力が足りないのでB振り弱保を意識すると下手に撃てない。 |
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欠伸 |
クッション枠としての性能を向上させる対面操作技。欠伸+残飯で連打するだけで体力を回復出来るので、ステロ無しでも連打するのに意味が生まれる。 |
守る |
相手から見えない勝ち筋を作り出す技。欠伸+守るで強引に起点を作るだけでなく、Zのダメージカット、単純な体力管理にも役に立つ。 |
【役割解説】
1匹目のクッション枠。HBに厚く振ることで物理特殊問わず、幅広い相手に投げていくことが出来る。
後出しからでも機能するが、極端な不利対面が少ないので初手から投げて、初手のじゃんけんを拒否することが出来る。
単体としての性能は決して高くないが、数値の高さを活かして後続に手厚いサポートを与えることが出来る。
選出率・初手率共に高い。
ランドロス@フィラの実
性格:腕白 特性:威嚇
数値:196(252)-165-156(252)-x-101(4)-111
技:地震 岩石封じ 蜻蛉返り ビルドアップ
【調整意図】
☆与ダメ
・197-151メガボーマンダに+2岩石封じ100~198(50.7%~59.8%)確定2発
・197-151メガボーマンダに+6岩石封じ198~234(100.5%~118.7%)確定1発
☆被ダメ
・A191メガボーマンダ-1恩返し57~67(29.0%~34.1%)2.7%の乱数3発
・A191メガボーマンダ±0恩返し84~100(42.8%~51.0%)4.6%の乱数2発
・B+2状態でA191メガボーマンダ+3恩返し106~126(54.0%~64.2%)
【技構成】
一致高火力のメインウェポン |
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岩石封じ |
浮いてる相手への打点になりつつ、ビルドアップとセットで対ミミッキュが非常に安定するようになる。 |
蜻蛉返り |
対面操作技。耐久に振り切ることで後攻から無償で決定打の展開に繋げる。 |
ビルドアップ |
岩石封じ+ビルドアップで対ミミッキュの安定感が飛躍的に向上するだけでなく、今まで起点にされていた相手に対して逆に起点にしてしまう可能性を生み出す。特に対ボーマンダに有効。 |
【役割解説】
2匹目のクッション枠。
威嚇と耐性によるサイクル性能と、後攻蜻蛉返りによる対面操作を活かして盤面を整えていく。
またここまでで重めな竜舞ボーマンダに後投げから勝てるポケモンであり、マンダ軸を相手にする時はゲンガーで3:2を作るか、このポケモンのビルドで詰めるかの2パターンの詰め筋を追うことになる。
ゲッコウガ@ミズZ
性格:臆病 特性:激流
数値:147-x-88(4)-155(252)-91-191(252)
技:ハイドロカノン 熱湯 凍える風 身代わり
【技構成】
激流Zでの最高指数を叩き出す。稀に激流下で素で撃つこともあるので命中不安は懸念点。 |
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熱湯 |
タイプ一致メインウェポン。追加効果次第では対応幅が広がる。 |
凍える風 |
カバ絡みの並びに出していきたい関係上、マンダへの打点としての氷技。変幻無し冷Bではマンダへの打点として不十分なので対面舞に崩されない風。副産物として襷ステロ展開にも強くなれる。こちらも命中不安が懸念点。 |
身代わり |
安定択技。単純に水Zの火力を上げるために連打することもあれば有利対面での爆アドに繋げたり、欠伸から強引な展開にも持ち込めたり出来るので必須。 |
【役割解説】
エース枠。欠伸展開と相性がよく、サイクルで止められるポケモンが限られてるので滅びによるサポートの恩恵も受けられるため構築にマッチしている。
また、カビゴンとの補完が優秀であり、カビゴン+ゲッコウガでテテフに対して有利に立ち回っていくことが出来る。カビゴンの苦手なマンダの初手率を見せ合い段階で下げつつ、ゲッコウガを縛りに来る高速ポケモンを初手に呼び込むことでコンセプトであるカビゴン初手からの展開をよりスムーズに行える。
〇自由枠採用ポケモン
全て解説を加えると長過ぎるので簡潔に記す。
性格:控え目 特性:防音
数値:153(20)-x-146(4)-163(228)-126(4)-137(252)
技:スケイルノイズ 火炎放射 我武者羅 身代わり
【技構成】
Zの素。技の性能が単純に高く、高火力の一致メインウェポンとして連打する。 |
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火炎放射 |
鋼に対する遂行技。+1火炎放射で火力は充分。 |
我武者羅 |
フェアリー入りに投げることを最低限の水準で肯定出来る技。起点の前で身代わりを撃つことでフェアリー引きに対して火炎放射か我武者羅で削りを遂行できるようになる。 |
身代わり |
吹き飛ばし絡みに弱くなってしまうが欠伸展開や、我武者羅による削りを遂行する関係上挑発より身代わりを優先したい。雑に使うと体力管理に影響が出るので注意。 |
カミツルギ@拘りスカーフ
性格:意地っ張り 特性:ビーストブースト
数値:145(84)-224(20)-152(4)-x-83(252)-148(148)
技:リーフブレード 聖なる剣 叩き落とす 恩返し
【技構成】
一致メインウェポン。低耐久の半減程度なら一貫を気にせずこの技を打った方が良い。 |
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聖なる剣 |
サブウェポン1。宿り木に合わせてナットレイに投げたりミラーで打ったり。 |
叩き落とす |
耐久を振ることでサイクル参加が出来るので、サイクルの中で有利に立ち回れる叩き落とす。下手に打つと起点になるので難しい。 |
恩返し |
テテフリザガッサとかに一貫する。サブウェポンの中では1番火力が高い。 |
ジャローダ@ウイの実
性格:臆病 特性:天邪鬼
数値:172(172)-x-117(12)-112(132)-118(20)-170(172)
【技構成】
タイプ一致高火力メインウェポン兼積み技。タイプ上通りは悪いが殴りながら火力を上げられるのは単純に強力。 |
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目覚めるパワー炎 |
基本軸で相手にしたくないレヒレバンギ+バレルカグヤのような並びに対して投げていけるように取り巻きに打点を持てる炎。 |
後述のリフレクターと合わせて場持ちの良さを向上させるだけでなく、リーフストームを複数回打てるように出来る。複数回のサイクル参加を可能にさせることで構築全体の不安定さを解消させる。 |
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リフレクター |
後投げからでも持ち前のSを活かして多くの物理アタッカーを相手に出来るようになる。光合成とリーフストームと組み合わせることで単に受けの性能を向上させるだけでなく、崩しの性能も期待できるようになる。後述のサポートにも。 |
ギャラドス@ヒコウZ
性格:陽気 特性:威嚇
数値:171(4)-177(252)-99-x-120-146(252)
技:滝登り 飛び跳ねる 挑発 竜の舞
【技構成】
滝登り |
一致メインウェポン。2舞してようやくまともな火力になる。 |
飛び跳ねる |
Z技用。素で打つことも多々あったので命中不安が怖い。 |
挑発 |
威嚇+挑発で広い範囲を起点に出来る。2舞してようやくまともなスペックになるポケモンなので挑発で舞える範囲を広げられるのは大きい。また、展開阻止や死に際の挑発でゲンガーに繋げたりも出来る。 |
竜の舞 |
積み技。2回舞えるように意識したい。Zを打つだけならギリギリ1舞でもいいかも。 |
テッカグヤ@イワZ
性格:慎重 特性:ビーストブースト
数値:204(252)-140(148)-126(20)-x-145(84)-82(4)
技:ヘビーボンバー ストーンエッジ 宿り木の種 身代わり
【技構成】
ヘビーボンバー |
高火力一致メインウェポン。火力を振ってるので意外と火力が出る。 |
Z技用。カグヤで炎電気をケアする上でカビゴンの後出しからケアがしにくい相手には岩Zが非常に刺さる。 |
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宿り木の種 |
後述の身代わりと合わせて使用することで、ただの地雷ではなく、テッカグヤとしての仕事も出来る。宿り木を入れることでゲンガーやカビランドのサポートも。 |
身代わり |
有利対面身代わりによって切り返しを狙って出てくる炎やレボルトを岩Zで狩る。また宿り木と合わせることで汎用性も確保出来る。カビゴンの欠伸展開とも相性〇 |
キノガッサ@気合の襷
性格:陽気 特性:テクニシャン
数値:135-182(252)-101(4)-x-80-134(252)
技:種マシンガン マッハパンチ 岩石封じ キノコの胞子
種マシンガン |
メインウェポン。Hit数による相手もいるので運要素が大きい。 |
ゲンガーと組み合わせて相手のキノガッサ絡みの構築に3:2盤面を実現させる。 |
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岩石封じ |
対面性能を底上げするサブウェポン。 |
キノコの胞子 |
ガッサがガッサである所以。眠らせることで強引に対面操作や積みの起点も作れなくもない。 |
〇運用方法
意識する点としては""ゲンガーで相手のポケモンを処理できるように盤面を動かす""ことである。
カビゴンが対面で殴り勝てる相手であったとしてもその後身代わり持ちの起点になりかねないので可能な限りゲンガーで相手を処理して3:2の状況を作り上げるように意識すると構築の強みを発揮できる。
3:2ゲンガー残しの盤面はスカーフ持ち以外に対して本来の相性を無視した圧倒的有利盤面になる。
ゲンガーを選出しない場合はこの限りでは無いが、基本的にゲンガーかエース枠2枚で残数有利を取るように心掛けると逆起点になって負けるパターンは大きく減らせる。
〇後書き
半年使って結果も出せず、挙句構築が完成しないってW