魔界の花嫁

蘭子さんの構築備忘録

【第3回真皇杯関西予選1使用構築】月影鮫-転-

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〇はじめに

先日行われた真皇杯関西予選1で使用。結果は5-4で予選落ちと不甲斐ないが、自信のあった並びやコンセプトであったので公開する。

 

〇コンセプト

対面での撃ち合い性能に重きを置きながら、そこに展開を織り交ぜることによって、攻撃的な対面構築を目指した。

 

〇概要

S2で使っていたゲンガブカグヤは対面性能の高い三匹でサイクルを回していく、所謂対面+サイクルを戦術のベースとしていた。しかし、対面に重きを置きながらサイクルを回すのは、相手のサイクルパに後手を取り、積み展開に弱くなりがちであり、ゲンガーの強みを最大限に活かした緻密なプレイングが要求されがちであり、窮屈さを感じていた。

そこで、今回は対面での撃ち合いに重きを置きながら展開を織り交ぜることで攻撃的にゲームを作り上げることに考え方をシフトさせた。

展開方法は様々なパターンがあるが、攻撃的な展開がコンセプトなのでステルスロックをベースにした。そこでステロ撒き要員の中で最も対面での撃ち合い性能が高いと考えているガブリアスを展開の始点に据えた。さらにステルスロックの攻撃性能を最大限に活かしつつ、圧倒的数値と型の固有さを活かせるカビゴンに欠伸を展開させた。

残りの枠にステロ欠伸からの抜きエース要員を揃えていったが、環境の展開始動役のカバルドンに掻き乱されやすい軸なので、カバルドン展開に対して後投げするだけで展開テンポを奪い返せるポイヒガッサに注目。欠伸で起点を作ってからハメ展開も狙えるためパーティの潤滑油にもなりつつ、選出に絡めるだけで強力な勝ち筋を生み出せた。また、初手ガブリアスで縛られるのはパーティの柔軟性の低下に繋がりかねないので、エースにもなりつつ鬼火から展開を行えるゲンガーを最後に添えた。

抜きエースで3タテを狙うのではなく、展開要員自体の撃ち合い性能の高さから数的不利を取らずに展開をしていくことで相手を圧倒していくことが出来た。

以下、個別紹介。

 

〇個別紹介

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ゲンガー@ゲンガナイト

性格:臆病 特性:呪われボディ→影踏み

数値:159(188)-x-101(4)-191(4)-123(60)-200(252)(メガ後)

技:祟り目 ヘドロ爆弾 鬼火 身代わり

 

初手の展開要員兼抜きエース。今日のゲンガーは催眠アタッカーであることが多いが、影踏みによるサイクルカットで盤面をコントロールする使い方が自分には1番馴染んでいるため、いつも通りの鬼祟型。

現状解禁されているメガ枠のほとんどが積み技を使っても圧倒的な崩し性能を確保出来ないと考えているため、メガ枠に崩しの要素を求めるのではなく対面での撃ち合い性能や展開性能、サイクル性能を評価したいと考えている。鬼火ゲンガーは後続の起点作り、撃ち合い性能もさることながら、影踏みによる腐りにくさも含めて個人的に評価が高い。後述のガブリアスが隙を見せるメタグロスなどが見えた時は初手投げしたい。

CSの火力が欲しいという意見もあると思うが、あくまでも私はゲンガーで抜いていくのではなく、ゲンガー自身が展開要員になりつつ対面で撃ち合うことを想定しているため耐久HS以外は考えられない。一応抜きエースとしても使えなくもないので、抜きに重きを置くならCSも一考か。

 

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ガブリアス@ジメンZ

性格:陽気 特性:鮫肌

数値:183-182(252)-115-x-106(4)-169(252)

技:地震 岩石封じ ステルスロック 毒々

 

ステロ撒きの中で最も対面性能が高いと考えているポケモンであり、ステロを撒くだけでなく撃ち合いで勝つことも想定してジメンZ。

当初はヤチェで使っていたが、メタグロスポリゴン2対面くらいでしか役に立たなかったので、ガブリアスのスペックを攻撃的に発揮するためにZとした。Zだから勝てたという試合があるわけでもないので持ち物は要相談。

調整を練る暇が無かったのでASぶっぱだが、耐久方面に調整を加えた方が動きやすかったと思うので反省。具体的にはミミッキュのじゃれ+影耐え。

今最も強いガブリアスの構成はこの4つだと思っているため、そのまま採用したが、カビゴンの欠伸、ガッサの胞子を考えても毒→吠えるで良かった。

数値に物を言わせて初手での役割遂行をしていけるのはやはりこのポケモンならではであり、替えが効かない。ステロ撒きだけで切るのではなく、カビゴンやガッサに引いて温存することももちろん考慮に入れておくのが大切。

 

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テッカグヤ@命の珠

性格:意地っ張り 特性:ビーストブースト

数値:172-168(252)-123-x-124(20)-111(236)

技:ヘビーボンバー 地震 岩雪崩 ボディパージ

 

機動要塞型テッカグヤの中でも最も異形な奴。

とある記事から丸パクリしてます。

 テッカグヤのアタッカー採用はS1から何度も試みているが、どれも中途半端な結果に終わっていた。弱いと感じる主な理由は数値受けへの崩し性能の無さ。アタッカーテッカグヤは数値受けで止まるものの、耐久カグヤが隙を見せる炎・電気のアタッカーを返り討ちに出来るため一長一短なのだが、ゲンガブカグヤでサイクルをするのであるならば耐久の方が使いやすい。今回はサイクルではなく抜き展開を想定しているため、クッション性能のない超攻撃的なテッカグヤを採用するに至った。

問題の数値受けで止まるという問題をポイヒガッサの採用で解消しつつ、ステロ欠伸で若干の誤魔化しを加えた。実際に試運転段階でも数値受けに妨害されて抜ききれないといったことは無かったので、アタッカーテッカグヤの一つの成功例と言えると自負してる。

想定外の火力と範囲によって相手を圧倒する。ブーストが噛み合えば簡単に抜き体制が整うので、確実に抜ける盤面を序盤2枚で作り上げることが大切。岩雪崩を打つ機会が少なかったので特殊炎技もありかも。

 

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キノガッサ@毒毒玉

性格:陽気 特性:ポイズンヒール

数値:153(140)-150-115(116)-x-80-134(252)

技:岩石封じ 宿り木の種 キノコの胞子 身代わり

 

[シングル]やどりぎポイヒガッサの調整案:キツネの社の社務日誌 - ブロマガ

こちらの記事を参考にしながら7世代版にチューニングした。

カバルドンが未だに環境で猛威を奮っているため、そこへのメタは構築に不可欠であり、基本軸としているガブカビゴンカバルドンに隙を見せるため、一方的にカバ展開を崩壊させられる駒として採用した。

メタ思考に走り過ぎると後手に回りがちであるが、ポイヒガッサ自体はメタに回りつつもこちら側にテンポを一方的に奪い返せるため、非常に前のめりなメタ要素になる。故に、メタ要素でありながら構築の勝ち筋まで担うことが出来るパワーカードである。

若干特殊な構成のポガッサになっているが、ハメによるロック性能とサイクル性能が高い構成になっている。宿り木は、本来ガッサが有効打を持ちにくい相手に対してもハメを遂行できるようになり、パターンにハマれば確実にハメ殺せるため強力なロックになる。また、宿り木さえ入れば、カバルドンのステロ吹き飛ばし展開によってこちら側が負荷を負うことも無くなるため、カバルドン展開に滅法強い。それだけではなく、ポイヒガッサをレヒレで見れると思ってる相手にも宿り木+身代わりだけでロックが可能なので挑発さえなければ問題なくハメられる。宿り木の種がこのガッサの強みである。

ただし、コケコに対して明確な回答を用意しにくいので注意。基本軸のガブカビゴンがコケコにある程度厚いので誤魔化しは出来るが、選出は慎重に行いたい。

 

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カビゴン@フィラの実

性格:意地っ張り 特性:食いしん坊

数値:254(148)-145(12)-117(252)-x-142(92)-51(4)

技:恩返し 地震 欠伸 リサイクル

 

欠伸展開を行えるポケモンの中で最も実質数値が高く対面性能があるポケモンだと思っている。

コンセプト上、対面での撃ち合いを想定してメインウェポンの恩返し、補完の地震(炎のパンチ)を確定としつつ、残りの枠に対面での撃ち合いに競り勝つためのリサイクル、展開にも使えるだけでなく、積みで突破を狙ってくる相手を流す欠伸を採用した。欠伸を見せた瞬間、相手側は吹き飛ばしをほぼ確実に警戒するため、実質技5つで戦えたりもする(補完のウェポンの使用機会がそこまで多くないので技が完璧に割れることがほとんどない)。

欠伸展開は相手を眠らせた後の行動が不明瞭になりがちだと考えたため、眠らせた後に抜きエースに引いて積むのではなく、カビゴン自身で殴っていくことで数的有利を取ることを意識した。引き+積みで使用するターン数と眠り消費ターン数の関係上、バックは運ゲーになりやすいためそれを避ける意図もある(もちろん、裏のエースが寝ているポケモンに強いのならばエースに引く動きが理想)。

カビゴンを毒で見ている相手に対して圧倒的に強く、欠伸展開から自主退場の形を実現できるため、裏のエースを通す盤面が整う。カビゴン対策のはずがこちらのカビゴンを活かすことになるという二極化した固有の型の強みを発揮できる。

物理にも特殊にも投げていける数値のお化けであり、欠伸を合わせることで構築全体の誤魔化し性能が高まる。今回最も信頼していたポケモン

 

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ウルガモス@ムシZ

性格:臆病 特性:虫の知らせ

数値:161(4)-x-85-187(252)-125-167(252)

技:火炎放射 虫のさざめき 蝶の舞 身代わり

 

タイプ相性を無視して破壊する抜きエース。

個人的な考えで、不一致Zによる役割破壊での崩しは対面での行動択をぼやかしているなど、あまりに不明瞭なため採用を避けている。だが、一致Zは見た目上のタイプ相性通りに受けを用意すれば簡単に防がれてしまう。このウルガモスは一致Zの弱点であるタイプ相性による誤魔化しを許さない超火力を叩き出すことが出来る強力な型である。

虫の知らせ+ムシZの火力はタイプ受け+数値受けを両立出来るポケモンでなければ受からないため、丁寧な起点作りさえ出来れば全抜きが容易である。ステルスロックが痛いポケモンであるが、サイクルを回さなければ虫の知らせ圏内に入れるための補助でしかないため、この型に限ってはステルスロックがほとんど痛くない。

ステロ欠伸展開と最も相性のいい技である身代わりを自然と採用出来るのも高評価である。

炎技は諸説あるが、命中安定で且つ火力もそこそこ出る火炎放射が最も使いやすかった。

 

〇選出パターン

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殆どのパーティにこのパターンで投げていく。それだけこの2枚のパワーは圧倒的であった。

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ただし、ガブリアス初手で明確に不利を取るようであればゲンガー初手からの鬼火展開も視野に入る。ゲンガーが出し負ける相手のケアとしてカビゴンを添えることが多かった。

カバ展開にはガッサを選出するが、ガッサを選出する際はガッサを通すことだけを考えたいのでガッサの障害となるポケモンの除去手段を必ず用意すること。

 

〇反省点

ボーマンダバシャーモに甘い。

先に展開出来れば止まる構築はほとんどないが、後手に回らないように常に気を付けなければならずかなり繊細に立ち回る必要のある相手。改善するならこの辺りに厚めに組みたい。

 

〇雑記

珍しくかなり前のめりな構築になったが、完成度は高いと自負しており、自信のある構築であった。戦績が振るわなかったのは構築の中身というよりは、単純にプレイングの問題であり、久しぶりのプレイではやはりミスが目立ってしまった。

これからもあまり表だってポケモンは出来ないが、完成度に自信のある構築を組めたらいいなと思っている。最後まで読んでいただきありがとうございました!